今回はこのケースについて現在の状況、改善点、今後の予測についてご紹介していこうと思います。
初診時は6歳(6歳7ヶ月)で、主訴が『歯並びデコボコしているので改善したい』との事でした。
※一般歯科にて矯正相談をされた時は『もう少し生え変わりが済むまで様子見ましょう』と言われたとの事でしたが保護者様がいつまで様子見るのか具体的明示がなかったとの事で僕の所に矯正相談でいらした患者様です。
まずは写真から現状を説明していきます。
《正面》
・前歯の噛み合わせがあまい(バイトが浅い)
・左上前から2番目の歯(B/乳歯)と左下前から3番目(C/乳歯)の噛み合わせが逆になっている。➡︎cross bite
※本来であれば上の歯が下の歯よりも前に位置しているのが正常だが今回の部分は逆になっている。
《上の歯の写真》
・写真を見てほしいんですが、上の前歯の2番目の小さな歯(歯科用語で言いますと左上B)が内側に入った状態で生えています。
➡︎もう少し専門的に言いますと、、
『左上Bが口蓋側(内側)に転移して萌出するくらい乳歯列の段階で叢生になっていたと予測されます』
これは結構レアケースで、それだけ顎の大きさが小さいと言う事です💦
《下の歯の写真》
・下の前歯の2番目の大人の歯が裏側から生えてきています。
➡︎左下2の舌側転移萌出
・窮屈そうに生えている為、上と同様に下も顎が小さいということです💦
では、次に改善項目を説明していきます。
・上下の写真からもわかる通り、顎の大きさが上下とも小さいです。
また、この子に関して恐らく左上Bが乳歯列の段階で内側に逸れて生えてきたと言う事は、かなり顎が小さいと予想されます。
写真のように、上下とも2番目の歯が生えてくればくるほどどんどん窮屈具合が強くなる為に顎の拡大治療(顎を大きくする事で大人の歯が生え揃う土台を大きくする治療)が必要になります💦
・奥歯の噛み合わせに関しては現時点では左右共相違はなく正常の噛み合わせだが、前歯の噛み合わせが浅いので現段階では、顎を拡げて歯並びを整える治療、および今後の成長過程によっては前歯の噛み合わせに対するアプローチも必要になります💡
最後に今後の予測・見通しとしましては、、、、、
①拡大治療はマストだが、乳歯列の段階で転移があると予想されるので拡大治療でどこまで拡大出来、どこまで整えられるのか❗️
②特にこのケースであればなるべく早く治療をスタートする事で少しでも小児矯正治療で終わらせる確率を高めてあげる❗️
③もちろん、拡大の見込みによっては『小児矯正➡︎成人矯正』の移行の可能性もあります。
④もう少し生え変わりまで待っていたら、このケースの場合はただでさえ通常より多くの拡大量が必要と予測出来るので小児矯正治療じゃ間に合わない、場合によっては成人矯正に移行した時にスペース的に足りなく何本か大人の歯を抜歯しなければいけない可能性もあります💦
⑤前歯の噛み合わせが、萌出最中とはいえこの段階では浅いです。
状況的に習癖(例えば舌を咬む事や、爪を噛むなど、、)によるものと予想できますが、今回であれば舌による習癖の影響が強い気もします。
その為、小さいうちから止めるように指示しても難しいので当面は経過観察していく必要がありますが、改善されない場合は治療に使う装置に習癖を防ぐものも取り付けたり、場合によっては成人矯正に移行した際に改善してなければ歯並びと前歯の噛み合わせもセットで治さないといけないかもしれないです💦
子供の矯正に関して見る👀ポイントは大きく2つです。
①歯並び
②噛み合わせ
それを大前提に現状問題点をピックアップして、それに対するアプローチも考え今後の動向を見据えた治療が必要になりますので、
・もう少し生え変わりが進むめで待つなど
どんどん成長期の時期が限られてきたりしてしまいますと小児矯正で治る可能性が下がり、成人矯正マストになりますので見極めが大事になってきます🙇♂️
今回のように今後ご紹介していき、もしお子様の歯並びと似てるななどありましたら参考にして頂き、少しでも疑問や不安解決の一助になればと思っております☺️
⚠️矯正医の見解はそれぞれ異なります。
治療に用いる装置や道具、見解や見極めも異なりますのであくまでも僕の見解になりますのでご理解して頂ければと思います。
小児矯正について何かわからない事、聞いてみたい事などありましたら、
Instagram『@dr.takahisa_official』
のDMよりご連絡頂ければと思います☺️