今回はこのテーマでお話していこうと思います。
まずは下記の写真2枚をご覧下さい。
【初診時】
初診カウンセリング時(R03,2月)の年齢は11歳3か月の女の子で、主訴が歯並びの改善でした。
お口の中のお写真からみてもわかる通り、全体的に歯並びがデコボコしていて特に上記の2枚目お写真より左上の八重歯(左上の3番目の歯)のスペースが丸々1本分足りていません。。。
そして次のお写真が治療をR03,3月からスタートし、7カ月目の現在です。
現在は治療の進行上、上あごに対するアプローチしかまだしてないですが、今後下あごにもアプローチしていきます。
ぱっと見た感じではどこか変化しているのかな???と思うかもしれないですが、スペースが出来ています。(下記写真参照)
通常、歯並びを整える上ではスペースが必要になってきます。そしてそのスペースを確保するためには、
①永久歯を抜歯する。
②歯と歯の間を紙やすりみたいなもので約0.3~0.5mm前後何カ所か削り(専門用語ではIPRとも言います)スペースを作る。
③小児の成長期のお子様は顎を広げていく。
など主に①~③の方法でスペース確保をしていきます。
今回のお子様のケースでは、左上3番目の八重歯が外側に弾かれていて、丸々1本分のスペースがない為、②のIPRという方法だけでは正直厳しい部分があります。
また③の顎を広げていく処置に関しましても、初診カウンセリング時、上あごの右上5番目に子供の歯のかけらが残っているだけであとは上下共全て永久歯であり、年齢ももうじき12歳という事で、特に成長期の終わりが男の子よりも早い女の子ですと顎を広げる処置をしたとしても効果が全く出ないこともあります。
その為、治療開始前のご説明では①の抜歯をする可能性、成人矯正(ワイヤー矯正)もある旨をお伝えしたうえで小児矯正治療をスタートし現在は上あごを広げるアプローチをしています。
そして上あごの治療を開始して7カ月目ですが、治療の効果が出ていることに年齢的要素から驚きもあるので今回は『小児矯正の可能性』をテーマにお話しすることにしました。
正直、現段階では左上3番目の八重歯のスペースは足りないです。しかし、右上に関しては目途が付きましたし、左上に対してももう少しアプローチをしていき、仮にlimitが近づいて反応が鈍くなる時期が来たとしても上記の②のIPRの併用や成長がストップしワイヤー矯正に移行したとしても大事な永久歯を抜歯をせずに仕上げられる可能性も高まります。
今後は下あごにもアプローチをしていき究極の理想は小児矯正治療のみで仕上げていきたい事、仮に小児矯正だけで終わらなくても非抜歯で成人矯正で仕上げられるようにしていきます。
矯正治療には色々な見解があり、治療法も様々です。現在僕は、小児矯正に関しては患者様自身で取り外しが出来る装置(床装置)を中心に治療を進めています。
ただ改めてですが、治療法は1通りしかないという事はありません。例えば『スペースが無い』➡『抜歯』とかパターンではなく、出来る限りのプランを何パターンか提案し、その人に合うプランを選択し提供して、その見極めが本当に重要だなと改めて再認識させてもらえたケースでもあります。
特にこの子の場合は最初他院での初診カウンセリングを受けた際、抜歯しか方法が無いといわれたそうです。
しかし、今回治療の効果が出たのも、治療をうける本人が抜歯をしたくないという気持ちを強く一生懸命に治療にのぞんでくれているので、まだ治療を始めたばかりですし、まだまだfinishまでの道のりは長いですが、治療を受けるお子様、保護者様とチームプレイで引き続き治療を進めていきます!!
小児矯正について何かわからない事、聞いてみたい事などありましたら、
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