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成人矯正(大人の矯正治療)

裏側矯正

今回は『裏側矯正』をテーマにお話ししていこうと思います。

まず簡単な部分から説明していきますと、昨今矯正治療に関しては歯の表面にワイヤーをつけて治療するワイヤー矯正や、付け外しのマウスピースで治療するマウスピース矯正がありますが『裏側矯正』は前者のワイヤー矯正のうち歯の裏側の面にワイヤーをつけて治療するワイヤー矯正であり別名『リンガル矯正』とも言います。

よく患者様からの質問で多いのが、

・ワイヤー矯正のうち『表側矯正(歯の表側にワイヤーを取り付けて治療)』と『裏側矯正』はどちらの方が治療期間が早いですか?

とのことですが結論から言いますと治療スピードに関しては表側でも裏側でもほぼ差はないです!

※ただし、、、

歯にワイヤーがちゃんと付いているのが大前提になりますので例えば脱離して一部分だけワイヤーがついていない歯に関してはワイヤーの力が加わらず場合によってはその部分でタイムロスが生じてしまいます。

あくまでも私の治療経験上ですが表側よりも裏側の方がワイヤーの脱離率が多かったです。舌で気になって触りすぎていたり、硬いものなど食事の際に食べ物の塊がワイヤー部分に接触しやすく咀嚼する際に脱離してしまうなどが理由として挙げられます。

上記の内容が裏側矯正においてよく取り上げられている内容なので今回はもう少しコアな内容で表側矯正と裏側矯正の違いに関してお話していこうと思います。

【違い1】

➡ブラケット間の距離が表側と裏側とでは異なります。裏側の方が短いです。

これに関して説明していきますとまず『ブラケットとは??』に関してですがブラケットとは下記の図の矢印部分でワイヤーを歯に保持するための小さい粒のことを言います!!

そして『ブラケット間の距離』と言いますのが下記の図の矢印部分の事を指します!!

そして上記の図を参考にこれを『裏側矯正』に当てはめてみますと下記の図のようになります!!

黒丸が裏側につける『ブラケット』だと想定してください。

そうしますと上記の表側と裏側についているブラケット間を比べた時に裏側の方が、ブラケットの距離が『短く』なります。また1本1本の歯の裏側の構造形態は表側と違って平らだったり滑らかではないので裏側の場合ですとそのままブラケットを装着してしまいますと隣接の歯と段差が大きくなりワイヤーを通した際に変な反作用が起き治療に悪影響を及ぼしてしまいます。

そのため表側に装着するブラケットのように隣接部分での段差が無いようにして少しでも反作用を少なくするために下記の図の『青色』部分のように隣接歯との厚みを補正するためにブラケット(黒丸部分)にプラスチック素材のようなものが付随されていて、それを歯の裏側の面に接着剤等で取り付けていきます。

その為、『青色』部分が厚みがあればあるほど裏側のブラケットはもっと押し出されてブラケット間距離が短くなります。

※よく裏側矯正に関しての広告や他院様のホームページに『裏側矯正はオーダーメイドになります!!』などの紹介分が記載されているのは、人それぞれで歯のサイズや厚み、歯の裏側の構造形態が異なるため一つ一つ患者様によって裏側用のブラケットを製作しないと治療過程で反作用が起きやすく、治療期間にも影響が出てきてしまうからです。

そしてブラケット装着後にワイヤーを通していくのですが、ブラケット間距離の違いに(表側のように長い、裏側のように短い)よってワイヤーに対する上下的、前後的なもののしなり、たわみ具合が変わってきます。

ブラケット間距離が長いとその分だけワイヤーのたわみが得られやすく、短くなってきますとたわみが得られにくくなります。

つまりこれは本来なら隣接歯間で歯並びに段差がある場合でもブラケット間が長ければワイヤーのたわみ作用により多少硬めのワイヤーをブラケットに保持させることが出来るのですが、ブラケット間距離が短かったり、歯並びの段差があったりすると表側では保持出来る多少硬めの太いワイヤーを裏側では最初は用いることが出来ず、やわらかめのワイヤーや、しなりのある細めのワイヤーからスタートしなければなりません。

そして結果的にその分だけ治療期間が延長されやすかったり、しなりのあるワイヤーを入れすぎたりしていますと反作用が起こりやすく例えば、歯列のアーチの幅が反作用で拡がり過ぎてしまったりすることにもつながってしまいます。

しかし、いい面もあります。それはブラケット間距離が短いほど表側と裏側とで同じワイヤーをブラケットに保持させた際にワイヤーの矯正力はより集約されますので、ある書籍では裏側と表側とでは4倍の力が歯牙移動を行う上で加わってくるとも記載されています。

その為、抜歯矯正の場合、裏側矯正だと意外とあっという間に抜歯したスペースが封鎖されてもきますのでそういう意味では裏側矯正の方が収縮させるような力がかなり早いのでその点では表側矯正よりも反作用が無く順調に進めば治療期間も短縮される場合もあります。

【違い2】

➡牽引する力です。

もう少しかみ砕いていきますと、ワイヤー矯正の場合はワイヤーの方に歯牙が引っ張られます。

その為、裏側矯正の場合はワイヤーは歯の裏側にありますので歯は内側に引っ張られます。因みに表側矯正の場合は歯の表側(外側)にありますので歯は外側に引っ張られます。

それにより表側矯正はイメージで言いますと歯列が拡がる方向に、裏側矯正は歯列が狭くなる方向になりますので結果的に裏側矯正は歯並び、歯列が収縮されていてデコボコ量が大きく改善していく上では時間が表側矯正よりも掛かりやすくなってしまいます。

しかし先ほどの内容と重複してしまいますが前歯を立てやすい、内側に引っ張りやすい事を考慮すると抜歯矯正の治療過程における抜歯した部分のスペース封鎖をしていく上では分があることになります。

これを踏まえて言いますと、表側(唇側、頬側)から引く力と、表側(唇側、頬側)に押す力、これを両方とも兼ね備え理解していないと対応やリカバリーは難しくなってきます。

今回は【違い1、2】について結構専門的な内容で分かりづらかったかと思いますがお話してみました。

正直なところどこまで説明しようか迷いながら今回記事を作成しました。

というのも、実は私の友人の友人が他院様で裏側矯正を始めて治療期間現時点で5年目なのですが奥歯が噛み合っていなかったり、歯の所々で隙間や傾斜しすぎてたりとの事で相談があったからです。

同業者を悪く言うつもりはありませんが、実際セカンドオピニオンで私のとこにいらしてもらいお口の中を見ましたが患者様の言う通り確かに奥歯が噛み合っておらず隙間や所々で歯の傾斜や挺出(歯が隣接歯と比べると伸びて生えていること)がありました。

あくまで患者様から聞いた内容ですが担当医が毎回変わり、治療方針が共有されておらず先生によって説明が異なってるとの事でした。

また裏側矯正であまり変化が見られず治りが悪いことから先生より、

『マウスピース矯正なら治るのでマウスピース矯正に移行しましょう』と言われたそうです。

これに関しましてもワイヤー矯正で治らなければマウスピース矯正に関しても難しいかと思います。

更に悪化していきそれをリペアーしていく事も難しく、リペアーしていくのにまた治療期間も掛かってしまいますので、少しでもデンタルIQ向上に繋がれば、自分の受ける治療に関して少しでも知っていただければと思い今回は少し専門的な内容も含めてお話してみました。

歯科について何かわからない事、聞いてみたい事などありましたら、

Instagram『@dr.takahisa_official』のDMよりご連絡頂ければと思います('ω')

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